投資家の皆さまへ

ご挨拶

株式会社 エービーシー・マート 代表取締役社長 野口 実

 2024年2月期は、世界的なインフレの進行とインバウンド需要の高まりで、消費が急速に拡大した一年でした。一方で、国内においては、欧米との金利差拡大に伴う円安の進行と物価の高騰により、お客様の消費マインドも低下が見られるようになりました。


 シューズ業界におきましても、コロナ禍に縮小したシューズマーケットが回復基調で推移しました。消費動向としては、エネルギーや食料品等の価格上昇により、お客様の価格志向は消耗品と嗜好品とで二極化が進みました。私どもが扱うファッションスニーカーは、幸いにも、トレンド商品として認知されており、需要が拡大いたしました。


 このような状況下、当社グループの販売戦略といたしましては、トレンドの変化に即応するために、昨秋以降、日本、韓国、台湾、ベトナムの4ヶ国で新作スニーカーを同時リリースするプロモーションを行い、スポーツシューズやアパレルの販売に注力してまいりました。

 当期において、スポーツアパレルやアウトドア用品等を扱う株式会社オッシュマンズ・ジャパンを連結子会社にしたことで、シューズ以外の商品売上が拡大しております。


 店舗展開におきましては、『GRAND STAGE』と『ABC-MART SPORTS』の出店を拡大し、当期は国内外79店舗の新規出店を果たし、グループ全体で1,487店舗となりました。改装も、増床を中心に国内外で70店舗程行い、トレンド志向からファミリー層まで対応した店づくりを行ってきました。海外においても、韓国、台湾、ベトナムで『GRAND STAGE』の出店を拡大しており、グループ全体で『GRAND STAGE』を155店舗展開しております。

 これらの結果、連結売上高は過去最高の、3,441億円となりました。利益面におきましても、都心部大型路面店の売上回復とコロナ禍に構築したデジタルインフラの本稼働により、営業利益率が16.2%に回復、連結営業利益が556億円となりました。


 2025年 2月期の事業環境は、国内においては、30年余り続いたデフレから“金利のある世界”へと移行しつつあり、企業収益や雇用環境の改善が進むものと考えますが、しばらくは円安・低金利基調で推移するものと予想します。

 当社グループといたしましては、デジタルをうまく活用し、様々なお客様のニーズを商品政策や店舗開発に活かし、また顧客サービスに結びつけて、売上の更なる拡大を目指します。そして、2025年2月期は、連結売上高3,658億円、連結営業利益587億円を目指してまいります。


 当社の株主還元につきましては、配当を基本とし、資本の健全性や成長のための投資との最適バランスを検討してまいります。中長期的な企業価値の向上のためのITを含めた設備投資、店舗用不動産投資、海外事業展開、M&Aなどに資金を投下し、1株当たり利益(EPS)を増大させることをもって株主価値向上を図ってまいります。


  今後の IR 活動におきましては、株主、投資家の皆様に正確な情報を迅速にご提供し、当社の現在の業況等をご理解いただけるよう努力してまいります。


 今後とも、なお一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。


株式会社 エービーシー・マート 代表取締役社長 野口 実

2024年 4月




TOP