投資家の皆さまへ

ご挨拶

株式会社 エービーシー・マート 代表取締役社長 野口 実

 2025年2月期は、企業収益の増加に伴い個人所得や雇用環境の改善が見られるようになり、また円安を背景に、日本のカルチャーに触れる機会を求めてインバウンドが増加した一年でした。世界的なインフレの進行による物価高の影響で、お客様の消費マインドにも低下が見られるようになりました。

 シューズ業界におきましては、国内のシューズマーケットは依然コロナ禍前の規模には回復していない状況ですが、国内外でマーケットの寡占化が進行しました。消費動向としては、商品価格の上昇によりお客様の選別は厳しくなる一方で、トレンドのスニーカーや履きやすさを追求した靴、サンダル・ブーツなどのシーズナル商品の需要は拡大しました。


 このような状況下、当社グループの販売戦略といたしましては、昨年より本格参入したハンズフリーシューズの売上拡大に注力してまいりました。

 また、日本、韓国、台湾、ベトナムのアジア4ヶ国で新作スニーカーを同時リリースするプロモーションを行うなど、SNSを活用した取り組みを強化したことで、インバウンド需要を取り込むことに成功いたしました。


 店舗展開におきましては、『GRAND STAGE』と『ABC-MART SPORTS』の出店を拡大し、当期は国内外で62店舗の新規出店を行いました。改装も、増床を中心に国内外で73店舗行い、トレンド志向からファミリー層まで対応した店づくりを行ってまいりました。2025年4月末時点のグループ店舗数は1,509店舗になります。

 2025年2月期の連結売上高は過去最高を更新し、前期と比べ280億円増加の3,722億円となりました。利益面におきましても、客単価の増加による収益拡大により、営業利益率が16.8%に上昇し、連結営業利益が625億円となりました。


 2026年 2月期の事業環境は、物価の高騰による消費の低迷や労働力不足が懸念されますが、足元では、米国の保護主義的な動きによる世界経済への影響が不安視され、先行き不透明な状況が続くものと予想します。

 当社グループといたしましては、インバウンドが増加する今日、『GRAND STAGE』のブランド浸透によるアジア進出を加速いたします。アジアから世界に向けての発信拠点として、リアル店舗をメディア化した次世代型の『GRAND STAGE』を、この春、大阪と銀座にオープンいたしました。韓国ソウル・江南にもオープンいたします。次世代型の『GRAND STAGE』は、海外のお客様も楽しめる空間となっており、インバウンドに対応した商品展開、MD構成、店づくりとなっています。SNSによる情報発信で顧客層を世界規模に拡大し、売上の更なる拡大を目指してまいります。2025年は、新しいチャレンジとして、東南アジア2か国目となるフィリピンへ進出いたします。そして、2026年2月期は、連結売上高3,839億円、連結営業利益640億円を目指してまいります。


 当社の株主還元につきましては、配当を基本とし、資本の健全性や成長のための投資との最適バランスを検討してまいります。中長期的な企業価値の向上のためのITを含めた設備投資、店舗用不動産投資、海外事業展開、M&Aなどに資金を投下し、1株当たり利益(EPS)を増大させることをもって株主価値向上を図ってまいります。


 今後のIR活動におきましては、株主、投資家の皆様に正確な情報を迅速にご提供し、当社の現在の業況等をご理解いただけるよう努力してまいります。


 今後とも、なお一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。


株式会社 エービーシー・マート 代表取締役社長 野口 実

2025年 4月




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